「責任ある積極財政」を金看板とする高市内閣が11月21日に決定した21兆円規模の総合経済対策で、攻守の要役を担うのが片山さつき財務相(66)だ。
まずは攻め。14日夕、部下である財務官僚が作りあげた総額17兆円規模の案が高市早苗首相に示されると、高市氏は「やり直し」と一喝。片山氏は16日、高市氏や木原稔官房長官らに「20兆円程度ならインフレは加速しない」「ここまでなら出しても大丈夫」との考えを示し、総額が固まった。
「財務官僚は頭を抱えている。『片山さんも元大蔵・財務官僚で、女性初の主計官だったんだから、財政規律の大切さは分かっているはずだが』。省内のあちこちでそんなぼやきが聞こえる」(経済部記者)
攻めは金看板のうち「積極財政」を反映したものだが、守りの「責任ある」の面は心もとない。21日には、財源の伴わない大規模経済対策への不安から円安が進む為替相場について記者会見で「一方的で急激だと憂慮している」と述べ、為替介入について「当然考えられる」と踏み込む口先介入を行ったが、効果は限定的。守りには弱そうだ。
そもそも片山氏は攻撃型の政治家だ。初当選は2005年の郵政選挙で、小泉純一郎首相が擁立した「刺客」。野党時代の12年には、芸能人の親族による生活保護受給を問題視、「生活保護を恥と思わないのが問題」と述べ、「生活保護バッシング」を煽動した。ある政治部記者は、自民党本部のエレベーターでたまたま乗り合わせた片山氏から「あんた記者? この紙あげるから、批判してよ」と一方的に資料を渡された。「気に入らないレクチャーを受けた直後で、怒りを誰かと共有したかったようだ」(当該の政治部記者)。

別の記者は片山氏の身辺について取材・執筆すると、こう面罵されたという。
「あんたバカなの? なに変なこと書いてんの!」
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source : 週刊文春 2025年12月4日号






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