中日は11月28日、OBの荒木雅博氏(48)が球団の本部長補佐に就任すると明らかにした。

「人事は来年1月1日付。荒木氏は内野守備走塁コーチだった23年以来、3シーズンぶりの球団復帰となります。おもにスカウティングや、球団が苦手としている二軍育成に関与することになります」(スポーツ紙記者)

 荒木氏といえば現役時代、侍ジャパン監督の井端弘和氏(50)との二遊間「アライバコンビ」が一世を風靡。堅守で鳴らし、ゴールデングラブ賞に6回、ベストナインに3回輝いた。コーチ退任後は、解説者としての活動に加え、中京大学附属中京高等学校の臨時コーチとして指導にあたっていた。

 そんな荒木氏のフロント入り。関係者の間では「球団が、将来の監督候補として育てようとしている」と見られている。

「荒木氏は立浪和義前監督時代、コーチとしての契約を打ち切られた際には憤慨していました。かといって、井上一樹現監督(54)のもとでコーチとして招聘しても、今季まで5年連続Bクラスのチームが優勝争いを演じるのは現実的ではなく、成績低迷がコーチの責任にもなりかねない。そのため球団はコーチではなく本部長補佐という肩書きを与えて、フロントからチームを把握してもらい、監督就任の準備をしてもらおうという魂胆なのでしょう」(球団関係者)

 荒木氏が次期監督候補に浮上したのは、かつての相棒である井端氏の動向も影響しているという。当然、井端氏も有力OBの一人であり、監督候補に名を連ねているはずなのだが、

「井端氏は立浪政権時代、現役中から公私ともに世話になった立浪氏からコーチ就任を打診され、断った。この頃、周囲には『俺は監督しかやらない』と語るなど、実は野心家です。立浪氏はもちろん、球団内でも顔をしかめる関係者が多かったといいます」(同前)

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source : 週刊文春 2025年12月11日号