「板で仕切られた2平米ほどの空間に、机と椅子が一つずつ。これが党本部の全貌だそうなのです。こんな場所で一体どうやって党を運営しているんでしょうか……」(同じビルに入居する団体関係者)

 旧民主党の流れを汲んで立憲と分かれ、2020年に玉木雄一郎氏を中心として発足した新・国民民主党。急成長を続け、いまや国会議員50人、地方議員300人以上を抱える。党には党職員がおり、1年に1度の党大会運営から選挙対策、広報など、山積する党の仕事を一手に引き受ける。

急成長を続ける国民民主党 ©︎時事通信

 だが、国民民主党党本部の実態を調べると、奇妙な事実が浮かび上がる。HPや党の公式書類に記載される「党本部」が、明らかに“ニセモノ”なのだという。

「国民民主党はいま、党本部を『永田町2-17-17 JBS永田町』という場所に置いています。例えば、政治資金収支報告書や、HPの『党本部へのアクセス』という項目にも、同じ住所が記載されている。党本部の写真として、JBS永田町が入居するビルの写真もよくメディアに使用されています」(政治部デスク)

国民民主党本部が入るとされているビル。外観は巨大だが… ©︎文藝春秋

 地下1階、地上8階建てのこの建物。一見、かなりの大型施設に見えるが、

「建物自体は、『永田町ほっかいどうスクエア』という、北海道が所有する土地に建てられた複合ビル。『JBS永田町』というのは、このビル内に入居するレンタルオフィスの名前なのです。ビルの2階に位置し、合計45の個室と会議室が密集しています」(同前)

デスクと椅子が置かれた狭小ブース

 実際にビルを訪れて表札を見ると、「278」号室に「国民民主党」との表記があった。一体どのような部屋なのか。同じJBSに入居する団体の関係者が話す。

「JBSは、部屋を小分けにして貸し出すパーソナルオフィスのサービスです。それぞれが月額4.5万円から同7万円で借りられる狭い“個室”です。278号室は最も狭く安いタイプで、広さはだいたい1.8平米。デスクと椅子が1つずつ置かれ、それで限界の狭小ブースです。壁は隣の部屋と上部が繋がったパーテーションで、漫画喫茶のようなもの。部屋の中での電話は禁止です」

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source : 週刊文春 電子版オリジナル