家族が望む“理想の最期”。それを叶えるには、どのような選択肢があるのだろうか。後編では、自宅や病院、特養やサ高住に代表される介護施設など、看取りの“場所”に着目。プロの目から見た利点・欠点を解説する。

 

▶「最期を迎えたい場所」自宅希望51%も現実は17%

▶看取り対応 介護医療院、特養、有料老人ホームの違い

 病気が治る見込みがない、心身が衰えてきた――。人生の終末期に求められる様々な選択。本人と家族にとって大きなテーマが、「どこで最期を迎えるか」だ。

 内閣府の2019年版「高齢社会白書」で、60歳以上の人に「万一治る見込みがない病気になった場合、最期を迎えたい場所はどこか」を尋ねたところ、51%が「自宅」と回答。「病院・介護療養型医療施設」が31.4%、「特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどの福祉施設」が7.5%、「サービス付き高齢者向け住宅」が3%と続く。

内閣府の「高齢社会白書」(2019年)では多くが自宅での最期を希望していたが……

 これはあくまで希望に過ぎず、23年の人口動態統計では、自宅で亡くなった人の割合は僅か17%。最も多かったのは「医療機関」で約66%だ。ただ、05年を境に医療機関での死亡は減少に転じ、自宅や介護施設・老人ホームでの死亡は増加している。

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source : 週刊文春 2025年12月25日号