石川祐希、髙橋藍らスーパースターの誕生で大人気の日本バレーボール界。そのトップである日本バレーボール協会会長の川合俊一に講演会を巡る銭ゲバ疑惑が浮上。「週刊文春」の取材に4時間説明を続けた、川合の言い分とは?

 2023年8月20日、姫路のとあるホテルの宴会場。スクリーンには次の文字が浮かぶ。

〈基調講演『一流アスリートが生まれる条件』 日本バレーボール協会 会長 川合俊一様〉

 この日、お茶の間でも親しまれる川合俊一(62)の饒舌ぶりにはいつにもまして磨きがかかっていた。パリ五輪予選に向かう代表チームに係る壮行会で、「お家芸」復活に挑む日本バレー界に思いを馳せたからなのか、それとも――。

 石川祐希、髙橋藍ら甘いマスクと実力を兼ね備えた若きスーパースターの誕生で、今や人気絶好調の日本バレーボール界。代表の試合が行われるとあれば、チケットは即日完売だ。

 そんなバレーボール界を牽引するのが、公益財団法人日本バレーボール協会(以下JVA)である。

「バレーボールの普及・振興を目的とし、代表チームの強化や天皇杯などの国内競技大会の運営などを行う。1973年に財団法人設立認可がおり、2011年には公益財団法人に。名誉総裁には高円宮妃殿下が就いています」(スポーツ紙記者)

 その協会の会長に川合が就任したのは2022年のことだった。

「同年にビーチバレーの国際大会に絡み、協会が診断書を偽造していたことが発覚。当時の会長が解職されたほか、役員が辞任。そんな中、後任会長として白羽の矢が立ったのが元日本代表でバラエティ番組などでも顔が知られる川合氏でした。協会のイメージ回復に努め、折からの男子バレー人気もあり、協会の業績もうなぎ上り。今年6月に会長職に再任され、異例の3期目に突入しました」(同前)

JVA会長3期目の川合

 文字通り、日本バレー界の顔として邁進する川合。だが、その裏の顔を告発する人物がいるのだ。

「週刊文春」の取材に固い決意で口を開いたのはJVAと公式代理店契約を結ぶA社の経理担当者Ⅹ氏だった。

「川合会長は弊社に公式代理店契約の見返りとして、協会を通さず『400万円』を会長個人に渡すようタカってきたのです」

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source : 週刊文春 2025年12月25日号