「進化する大人へ」
 

 カッと見開いた瞳が、瞬きとともに琥珀色をしたクロコダイルの瞳に瞬時に変わる。遠近両用の黒縁メガネに視線を支えられ、こちらを覗き込むのは――。

 11月21日公開の映画「TOKYOタクシー」で主演を務めた木村拓哉(53)。山田洋次監督がメガホンを取った本作の興行収入は早くも10億円を突破。公開4日間で興行収入4億円超、29万7000人超の動員を記録し、ともに初登場1位の好スタートを切った。倍賞千恵子(84)が演じる人生の終活に向かう女性を、タクシー運転手に扮する木村が東京・柴又から葉山の高齢者施設まで送り届ける1日の旅を感動的に描いた物語だ。

「2006年公開の『武士の一分』以来、19年ぶり2度目となる山田監督とのタッグは木村さんの悲願。初日舞台挨拶でも監督や倍賞さんを熱く抱擁するなど、感無量といった様子でした」(芸能記者)

山田監督は「クソ真面目」とベタ褒め

 本作の主人公は、クラリネット奏者を夢見る娘の父親でもある。家族との交流が描かれるシーンも数多いが、実生活でも度々、妻子との“共演”が目撃されていた。

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source : 週刊文春 2025年12月25日号