トヨタグループは、豊田自動織機の株式非公開化に向けたTOB価格を1月14日、当初発表時点の予定価格の1万6300円から約15%引き上げ、1万8800円にすると発表。翌日、TOBを開始した。

 今回のTOBは、トヨタ自動車と豊田章男会長(69)、トヨタ不動産が出資・設立した持株会社が、傘下のSPC(特別目的会社)を通じ、豊田自動織機の株式を買い上げて非上場化するもの。トヨタグループ各社の資本関係を整理することが第一の目的だが、それだけではない。

個人でも10億円を出資する豊田会長

「非上場化すればアクティビストからの圧力を回避できる。だが一方で、創業家が主導する持株会社が豊田自動織機の株式支配を通じてグループ各社への影響力を強めることも可能となる。それゆえ、グループ内から批判の声もあった」(金融関係者)

 投資家からの視線も厳しい。特に際立つのが豊田自動織機の大株主で、アクティビストで知られるエリオット・インベストメント・マネジメントによる批判だ。背景には、ここ数年の異常なまでの株高がある。

「エリオットは昨年来、TOB価格が安過ぎると主張。さらに株を買い増し、昨年12月時点で保有株式は約5%にまで達した」(メガバンク幹部)

 当初は2月からTOBを開始する予定だったが、前倒ししてスタートしたのも、エリオットの影響がある。

「さらに株を買い増す姿勢を見せていたのです。高市早苗氏の首相就任以降、歴史的な株高が続いており、時期を早めた」(同前)

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source : 週刊文春 2026年1月29日号