それほどまで過度のストレスに苛まれていたのだろうか。植田和男日銀総裁の顔が夢にまで出てきたのかもしれない。報道各社の日銀キャップが3人続けて更迭された――。

「植田総裁の就任以降、日銀の政策が“金利のある世界”に転換。この1年は特に、インフレや高市政権の拡張財政で、金利引き上げのタイミングが国内外から注目されてきました。各社の報道合戦も熾烈を極めています」(経済部記者)

日銀の金融政策決定会合。中央が植田総裁

 日銀クラブ(金融記者クラブ)担当の記者たちはこうした日銀の政策決定のほか、大手金融機関の動向をカバーする。その日銀クラブの記者たちを各社で率いているのが日銀キャップだ。

「金融経済を担当する記者の中ではエリート中のエリートです」(同前)

 そのエリートたちの中でまず姿を消したのは日本経済新聞のA記者だった。週刊文春電子版では昨年8月、この事態を詳報。原因は取材相手への情報漏洩だった。

 日経新聞関係者が語る。

「A記者は2007年入社で金融回りを10年近く担当。夜討ち朝駆けも精力的だった。ですが、親密な取材先に掲載前の記事のゲラ(下刷り)を見せていたことが発覚。自らの執筆記事以外も漏らす、報道機関としての“御法度”を犯していた」

日経だけではなかった

 加えて、さらに2社の日銀キャップが更迭されていた。うち1社が共同通信だ。「FACTA」2月号が報じた。詳細を、共同通信関係者が明かす。

「40代男性のB記者です。ロンドン駐在歴があり、以前は金融庁も担当。そのB記者について昨年12月下旬に突然、経済部長から部内に『諸事情のため日銀キャップを外れ、しばらく休む』旨のメールが流された」

 何があったのか。

「B記者は元々パワハラ的、セクハラ的行為で有名で、現場記者から上層部への相談が発端です。経済部長には可愛がられる反面、部下には『何でやらないんだ!』と厳しく叱責し、取材相手への電話も高圧的。そんな中、取材先企業の女性広報に性的な内容を含むメッセージを送っていたと指摘され、更迭の理由の1つとなりました」(同前)

 B記者は2月から他部署への異動が決まったという。

 

 そして今回、3人目の更迭劇も明らかになった――。

 読売新聞の日銀キャップC記者だ。

 昨年末、事件は起こった。

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source : 週刊文春 2026年2月5日号