山崎豊子が現地取材など8年の歳月をかけて中国残留孤児の半生を描いた大作が初舞台化。主人公の妻を演じる彼女が秘める思いとは。

 

今、私たちが生きていることに繫がっている

 俳優、歌手、音楽番組のMCなど、多彩に活躍する上白石萌歌が、2月26日に明治座にて開幕する舞台『大地の子』に出演する。1987年から4年にわたり『文藝春秋』に連載された山崎豊子の長編小説が原作。95年には日中共同制作でNHKでドラマ化され、大きな話題になった。満州で戦争孤児となった主人公の陸一心(ルー・イーシン)(松本勝男)が、文化大革命の動乱を生き抜き、凄絶な体験をしながら、日中共同の製鉄事業を成し遂げるまでの40年間を描いた物語だ。

「とてつもなく壮大なお話です。主人公の一心が、人間の限界を超えるような過酷な運命に翻弄され、読む手を何度も止めたくなるほど胸が痛みました。一心は、様々な人が差し伸べる手をしっかりと握り、自分の足で人生を力強く歩んでいきます。読後には不思議な温かさ、爽快感が湧き上がりました」

 舞台版はマキノノゾミが脚本を担当。一心の中国の養父母と、生き別れた我が子を必死に探す日本人の父、主に家族の物語を妹の視点で描く。上白石は、一心の命を救い、後に妻となる中国人の看護師・江月梅(チアン・ユエメイ)を演じる。

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source : 週刊文春 2026年2月19日号