1本の録画映像を入手した。そこで密かに行われていたのは、国の助成金を狙った「おいしすぎる話」の提案だった。異様なスキームで“不正受給”を指南するのは、とある東証上場企業だ。その実名と共に実態を検証する。

〈助成金という制度を活用して、おそらく今、最も効率的に資金を調達できる方法だと思います〉

 中小企業の経営者を前に、1人の男性が流暢に話す。

〈要は、結果として数千万円近くの資金が自由に使えるようになるというお話です。この取り組みに名前を付けるとすると、『AI研修事業の立ち上げ支援』となっています〉

 男性の説明によれば、AI研修事業を始めるだけで国からの助成金が入り、なぜか財布が潤うというのだ。参加者が首を傾げると、自信ありげにこう答えた。

〈なんかおいしすぎないですか? って言われるんですけど、僕もおいしすぎるとしか言えなくてですね〉

 これはあるビデオ会議の映像だ。公金を利益に変える――そんな“悪魔の囁き”のような提案をしているのは、れっきとした東証上場企業である。

 助成金ビジネスの最前線を追う。

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source : 週刊文春 2026年4月2日号