「米国は今後、60%の確率で、イランへの限定的な地上侵攻に踏み切ると見ています」
そう語るのは、元駐イラン大使の齊藤貢氏(69)。1980年に外務省入省後、イランをはじめとする中東7か国の大使館勤務を経験したプロフェッショナルだ。その齊藤氏が米国・イスラエルの対イラン軍事攻撃の今後の見通しを語った。
今回の戦争はここまで、3つのフェーズに分けることができると考えています。第1フェーズが米・イスラエルがイランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師を殺害した最初の攻撃、第2フェーズがイランによるホルムズ海峡の封鎖、第3フェーズが米・イスラエルによるイラン要人殺害やガス田の攻撃です。そして、今後の焦点は、米軍によるイランへの限定的な地上侵攻という「第4フェーズ」に移るかどうかです。

3月27日時点で、米国はイランに戦闘終結に向けた計画案を提示し、イラン側も交渉開始のための条件を提案したと報じられています。しかし私は、実際には具体的な停戦交渉にはなっていないと分析しています。
米国では、ガソリン小売価格が30%近く上昇
トランプ大統領はいま、ホルムズ海峡の事実上の封鎖による原油価格の上昇に頭を抱えています。米国ではイラン攻撃以降、ガソリン小売価格が30%近く上昇しました。車社会の米国においてガソリン価格上昇は政治問題に直結する。11月に中間選挙を控えたトランプ大統領としては何としても解決したい課題です。3月23日にSNSでイランとの「生産的対話」が進められていると主張したのも、株価低迷や原油価格急騰を意識したものと思われます。実際、トランプ大統領が停戦交渉について発信すると、原油価格の指標となる米国産WTI原油の先物価格は、前営業日の終値から一時14%超下落し、1バレル84ドル台を記録しました。
一方のイラン側は、自分たちが停戦交渉を拒否したと国際社会から非難されたくないので、停戦交渉の提案に付き合っているだけ。プライドが高く、メンツを重んじるイランにとって、現在は、最高指導者を殺害されたことでメンツを丸つぶれにされた状況です。このメンツを回復させるためにも、米国・イスラエルに対して誰の目にも明らかなダメージを与えるまで、引くことはできないのです。
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source : 週刊文春






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