週刊文春 電子版

東証一部がプライムに衣替え 陥落有力な「4兆円企業」とは

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済
東証を運営する日本取引所グループの清田瞭CEO
東証を運営する日本取引所グループの清田瞭CEO

 来年4月に市場再編を予定している東京証券取引所は7月9日、新たな市場区分に適合するかの判定結果を各企業に通知した。

「現在は、東証一部、二部、ジャスダック、マザーズと4区分ですが、これをプライム、スタンダード、グロースの3区分へと再編します」(市場関係者)

 とりわけプライム市場には、流通株式(親会社や創業家などが保有する分を除いた株式)比率が35%以上、流通時価総額が100億円以上、社外取締役比率が3分の1以上など厳しい条件が設定されている。

「ジャスダック上場の日本マクドナルドホールディングスや、百円ショップ大手のセリア、マザーズ上場のメルカリなどはプライムの基準を満たした。再編に向けた注目銘柄です」(同前)

 一方、一部上場の2191社のうち、プライム基準を満たしていないと通知を受けた企業は664社。その中には、どんな企業が名を連ねるのか。

「日立製作所傘下の日立物流は、3月末時点の流通株式比率がプライム基準の35%以上を満たしていませんでした。発行済み株式の6.2%に相当する自社株を消却したものの、今回の判定結果はプライムに『不適合』だった。『今後、基準達成を訴えていく』としています」(経済部記者)

 各社の大きな壁となっているのが、持ち合い株解消のために設定された指標でもある流通株式比率だ。

「ゾゾタウンを運営するZOZOは流通株式比率が34.8%でした。そこで創業者の前沢友作氏から、約2%分を取得することを決めた。新株予約権を発行し、一般株主に割り当てることで、プライム達成を図りたい考えです」(同前)

 だが、流通株式比率が低すぎ、そうした手段を取れない巨大企業もある。

「時価総額4兆円超のゆうちょ銀行です。同社の株式は持株会社である日本郵政が89%を保有している。流通株式比率35%以上の要件に大きく届きません。ただ、今回の1次判定でプライム落ちと通知されても、基準達成に向けた計画書を提出し、投資家に向けて開示すれば、『経過措置』を受ける道は残されている。ゆうちょも今後は経過措置入りを目指す方針ですが、ここで例外を認め過ぎると、再編の意味を問われかねない。ゆうちょのプライム入りはハードルが高いと見られます」(同前)

 東証の市場区分は株価や採用、企業ブランドなど多方面に影響を及ぼす。「プライムから陥落するようなことがあれば一大事」(一部上場企業の経営者)だ。

 正式な審査手続きを経て、最終的な判定は、来年1月11日に公表される。

source : 週刊文春 2021年7月29日号

文春リークス
閉じる