「目がキラキラしてる子が合格する」
これは「お受験の業界」でよく言われるセリフだ。記者は本連載で10人以上のお受験経験者や専門家に話を聞いたが、何度もこの言葉を聞いた。
小学校受験は、中学受験のように学力だけで線引きができないため、「行動観察」や「運動」など独特な試験が行われる。また、小学校ごとに試験科目も違えば、採点基準も非公表。そうした中で、「目がキラキラ」は必須要素だという。
しかし、あまりに抽象的だ。何をもって「キラキラ」なのか。記者の仕事をしている立場から言えば、原稿でそんなことを書いたらデスクから「もっと分かりやすく」と指摘されてしまうような表現だ。
「お受験を始める前は、塾で『目がキラキラしている子』と聞いても、何を言っているのか、と思っていました。それより私はペーパー対策や行動観察での振る舞い方など具体的なことが知りたい。でも、お受験が終わる頃には、『目がキラキラってこういう子だな』と、意味が分かるようになるんですよ。そして、やはりキラキラの子が合格する」
こう語るのは、長女を慶應義塾幼稚舎に合格させた桐ヶ谷恵さん(仮名、40代)。
“コネ”がなくても複数の学校から「ぜひうちに!」と言われる子どもには、「輝き」があるのだと恵さんは言う。一体、どういう子どもなのか。そして、「目がキラキラ」の正体は何なのか——。
その謎を追うべく、最終回は“お受験のプロ”に話を聞いてみよう。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル