少子化でも増え続ける私立小学校の志望者。だが、「お受験の世界」は分からないことだらけ。コネ、口利き、カネ……。“秘密のベール”の内側に迫るべく、小誌のママ記者が取材を始めると、驚くべき実態が見えてきた。
週刊文春で記者として働き始めて10年目を迎えた私(40代女性)は今、1歳の子供を育てている。0歳の頃は、日々の世話に追われて「元気に育てばそれでいい」と思っていたが、1歳を過ぎた頃からふと子供の教育について考えるようになった。
地方の公立小学校出身の私は「お受験」とは縁遠い人生を歩んできた。
とはいえ、周囲には同じ地方出身者でも、お受験をして子供を有名私立に通わせている人もいる。話を聞いていると、教育の質や施設の充実ぶりは魅力的だ。
「もしかしたら我が子も……」と思い、インターネットで検索してみたが、試験科目には「行動観察」「巧緻性」など謎の単語が並ぶ。一体どうやって合否の判定をするのだろう?
塾も沢山あるが、授業料などについて、多くはホームページに「お問い合わせ」と書いてあるのみ。一体いくらかかるのか?
ことほど左様に「お受験の世界」はネットで少し調べるだけでは、わからないことだらけなのである。
こうした自らの疑問をきっかけに取材を始め、今年3月から「週刊文春電子版」で「シン・お受験戦争」と題する連載を始めた。
私立の最難関・慶應義塾幼稚舎の合格を勝ち取った父親の話。共働き家庭で国立の難関校・筑波大附属小に子を送り込んだ体験談……。連載を書き進めるにつれて“秘密のベール”に包まれた小学校受験の一端が見えてきた。
真偽不明の噂が飛び交う「お受験の世界」でまことしやかに囁かれる噂の代表格が「コネと口利き」だ。
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source : 週刊文春 2024年5月2日・9日号