〈永守氏の指示を受けて、不正を闇で処理する存在であり、ニデックのガバナンスシステムの外側の存在〉(第三者委員会の調査報告暑)


 相次ぐ不祥事に揺れるモーター製造大手「ニデック」(旧日本電産)。なぜ、不正は放置され続けたのか。そこには謎の人物の関与があった。

 5月13日、ニデックは検査データの改ざんなど1000件を超える品質不正の疑いが判明したと発表した。

「先月、第三者委員会による最終報告が公表され、営業利益に約1600億円のマイナス影響を及ぼす会計不正(利益のかさ上げ)が明らかになったばかり。今度は品質不正に関する第三者委員会が新たに設置された。会計不正と同根で、創業者でワンマン経営者の永守重信氏(2月に名誉会長職を辞任)による苛烈な業績プレッシャーが原因とみられます」(経済誌記者)

調査報告発表前に辞任した永守氏

 同社は品質不正を発表した日、取締役の刷新を表明。これに伴い、不正を見抜けなかった社外取締役6人が退任することに。

 6人の“戦犯”のうち元キャリア官僚が3人を占める。元財務事務次官の佐藤慎一氏、元外務省国際協力局長の梅田邦夫氏、元文科省研究振興局長の小松弥生氏。全員、エリート中のエリートだ。

「永守氏はかつて、財務省幹部5人ほどをお座敷に呼んでもてなす“接待会合”を毎年開催していた。そうした場で永守氏に見出され大きな存在感を放ったのが、佐藤さんでした」(財務省元幹部)

 経済ジャーナリストの井上久男氏が指摘する。

「数年前の株主総会で、社外取をどんな基準で選んでいるのか、という質問が出た時、永守さんは自ら『イエスマンじゃ困るけど、クーデターを起こされても困る』と答えていた。永守さんの首に鈴をつけられるような人は、選ばれていなかったのでしょう」

 なぜ、元キャリア官僚たちは全く機能しなかったのか。不正の背後で蠢くのが、冒頭の報告書に登場する「特命監査部長・A氏」と呼ばれる70代前半の人物だ。

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source : 週刊文春 2026年5月28日号