「この3年間で研究員らが次々と研究室を去る異常事態が起こっています。今年から3年で約2億8000万円規模の補助金を外務省から受け取っていますが、健全な組織といえるのか……」
そう声を落とすのは、東京大学の先端科学技術研究センター内に設立されたシンクタンク・創発戦略研究オープンラボ(以下、ROLES)の関係者だ。
2020年に設立されたROLES。代表を務めるのは東大の池内恵教授だ。
「日本を代表するイスラム研究者で、15年にはシリアで跋扈したIS(イスラム国)の実態を解き明かした『イスラーム国の衝撃』がベストセラーに。18年、東大教授に就任しました」(国際ジャーナリスト)

池内氏を支える副代表に就任したのは、同じく東大で、ロシアの軍事を専門とする小泉悠准教授である。
「ウクライナ侵攻後、気鋭の研究者としてメディアの寵児となりましたが、以前から目をかけていた池内氏が東大先端研に引っ張ってくれたおかげでもある。小泉氏の発案でROLESが立ち上がると、副代表に据えました」(同前)

多くの有名研究者も参画した。国際政治学者で筑波大教授の東野篤子氏や、平和構築論が専門の篠田英朗・東京外国語大大学院教授らを招聘。彼らは後に各プロジェクトチームの座長となった。さらに、多額の公金も投入されていく。
「23年以降、外務省から計約8億円の補助金を獲得し、当初50名ほどだった学外メンバーが3倍に。安全保障や外交戦略のプロジェクトを多数立ち上げました」(前出・ROLES関係者)
ところが――。異変が顕在化したのは今年4月だ。
初回登録は初月300円で
すべての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2026年6月4日号






お気に入り記事