いま、ご当地スーパーがアツい。一定の地域のみで展開し、地元発祥で、地元産食品を多く販売する店のことだ。毎年、アワードも開かれており、今年で5回目。グランプリを受賞したのは、北海道と島根県のスーパーだった。

「北海道産の小麦と宗谷の塩、あとは水と酵母と岩塩だけで添加物を使わない。体にやさしいパンを作るべく試行錯誤し、2023年に完成したのが『北のはし食パン』(378円)です」

 そう語るのは、“日本最北の地”北海道稚内市で、「相沢食料百貨店」を切り盛りする副社長の福間加奈氏。この食パン、バターなどの油脂、砂糖や卵、乳製品を使っていないが、モチモチした食感と小麦本来の甘みが味わえるのが特徴だ。

「店では1日で2斤30本を焼き上げていますが、いつも13時頃には完売になります。お客さんからも『毎日食べても飽きない』と評判の商品です」(同前)

相沢食料百貨店の「食パン」

 北のはし食パンが一躍注目されたのが、5月11日。「ご当地スーパーグランプリ2026」の、「ご当地スーパー食部門(ごち食部門)」で、グランプリを獲得したのである。ちなみに5月11日は、「ごとうち」の語呂合わせだ。

 実はいま、日本各地に点在する地元スーパーがアツい。アワードを主催した、「全国ご当地スーパー協会」の菅原佳己氏が解説する。

「全国スーパーマーケット協会の調査によると、日本の食品スーパーは2025年時点で、約2万3000店舗あります。そのうち、ある一定の地域でしか展開していない、地元発祥である、地元産の食品を多く売っている、この3条件のどれかが当てはまる店を、私は『ご当地スーパー』と呼んでいます」

2019年に協会を立ち上げた菅原氏

 ご当地スーパーには、いわき産食材を使用した惣菜や高校生とのコラボ商品を販売する福島の「マルト」、げそ天が人気で冷凍パックでの通販まで始めた山形の「エンドー」など、他県からも来店する繁盛店も存在する。ただ、人口が減り続ける地方では、来店者数の減少、後継者問題などで苦戦する個人商店も多い。

「コロナ禍で多くの人がスーパーはライフラインであると再認識しました。一方でスーパー側も美味しくてオリジナリティ溢れる商品開発により力を入れ始めた。そんな、地方の奮闘する店を応援するべく、22年に始めたのがご当地スーパーグランプリです」(同前)

 今年で5回目となるアワード。エントリーしたのは、ごち食部門が45品で、「ご当地スーパーみやげ部門(ごちみや部門)」が36品。投票は協会の公式インスタ上で行われ、期間は4月17日から5月7日まで。総投票数は、1万2336票だった。

 見事、グランプリに輝いたのは、ごち食部門では冒頭の北のはし食パン、そしてごちみや部門は島根県松江市にある「スーパーマーケットハロー」の「宍道湖しじみ醤油キャラメルみるくぷりん」(195円)だ。

ハローの「ぷりん」

「ともに1店舗のみの小規模店で、広さも同程度。熱心にインスタで情報発信をしているのも似ています。インスタに付けられたコメント数は200件以上とダントツで多かったです」(同前)

 では、この2軒は何が優れているのだろうか? 現地へと飛んだ。

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source : 週刊文春 2026年6月18日号