無情にも、スマホの位置情報は微動だにせず、帰宅しない少女の所在を示していた。GPSが発信を続けた場所は、神奈川県相模原市南区、JR相模線・下溝駅から近い相模川の河川敷。背丈の高い草木が生い茂る先、橋の下にある狭い空き地付近だった。陽が落ちれば、あたり一面は暗闇に包まれ、そばを流れる小さな支川のせせらぎが静寂の中に響くだけ。
そんなひと気のない場所で、同県座間市に住む県立高校3年生の佐藤唯来さん(17)が心肺停止の状態で見つかったのは、6月11日午前2時頃のことだった。

「元カレに会ってくる」
前日の10日午後6時半頃、佐藤さんは家族にそう伝えて外出したまま、自宅に戻ってこなかった。同日深夜、家族が110番通報。スマホのGPS情報を頼りに、神奈川県警が捜索にあたっていたのだ。
遺体が発見された約2時間後。神奈川県警の車両は、すでに佐藤さんの元交際相手で塗装会社に勤めるA(19)の自宅前に到着していた。事件現場から直線距離で約6キロ、相模原市南区の古いアパートだ。同居するAの父親が茫然とした様子で振り返る。
「午前4時過ぎだったと思いますが、自宅の外に車が停まっているのが見えました。言葉ははっきりと覚えていないのですが、(息子に)『ちょっと来てほしい』と。本人が帰宅したのは夜の12時頃だったと思います。寝起きのまま警察に連れていかれました。朝から警察が来て『話を聞きたい』と言われれば、普通は、何かやらかしたんだろうと感じます。ですが、(事件は)理解できないし、想像もつかないことでした」
「この日も復縁を断られ、カッとなって首を絞めた」
11日午後5時前、県警はAを殺人容疑で逮捕。本人は「そのままの通りです」とあっさり容疑を認めた。浮かび上がってきたのは、身勝手極まりない動機だ。社会部記者が解説する。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル


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