元衆院議長で自民党総裁を務めた河野洋平氏が6月8日に亡くなった。89歳だった。

 10日夜に報じられ、翌11日は各社が評伝を出した。際立ったのは産経新聞で、大物政治家なのに評伝はなかった。

 他社の政治部記者は「産経はなにより河野談話への向き合い方で迷ったのでは」。1993年、宮沢内閣の官房長官だった河野氏は、戦時中の従軍慰安婦問題に関して旧日本軍の関与を認める「河野談話」を発表した。「評伝を書くならば社論として談話を強く批判しなければならないが、死者に鞭は打てない。総合的な判断で評伝を見送ったのかも」(同前)。

 一方、朝日新聞は11日朝刊で中村史郎会長による評伝を載せ、翌日も四面トップで大型記事、社説でも称えた。だが、こちらも裏事情があった。

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source : 週刊文春 2026年6月25日号