新聞の社説が世論に響かない――。「紙の王者」読売新聞、「デジタルの王者」日本経済新聞の報道からそんな現実が浮かび上がる。両紙は、高市政権が進める消費税減税や衆院定数削減を社説で厳しく批判している。にもかかわらず、両紙の世論調査では、高市早苗首相の支持率はむしろ上昇した。新聞は今、「ジレンマ」に直面している。
消費税1%案「つじつま合わせにしか映らない」「体裁を保つ以外の意味があるのか」
両紙による高市政権への批判は、ここにきて一段と厳しさを増してきた。
食料品の消費税を1%に引き下げる案について、読売新聞は6月25日の社説で、「中東情勢の混乱で状況が一変しており、自民党が、『食料品の消費税2年間ゼロ』の検討を加速するとした2月の衆院選公約に固執するのは、つじつま合わせにしか映らない」と指摘した。日経新聞も6月28日の社説で、「税率をゼロにするとレジシステムの改修に1年程度かかるため、半年ほどで済む1%案が有力となっていた。わざわざ現金給付を組み合わせてまで『実質ゼロ』をうたうことに、首相や自民党の体裁を保つ以外の意味があるのだろうか」と論じた。

衆院比例代表の45議席削減案は…
衆院比例代表を45議席削減する案についても厳しい。
読売は6月18日の社説で、「連立政権合意に盛り込んだからといって、衆院定数(465)を強引に削減しようという自民党と日本維新の会の姿勢は、到底許されるものではない」と断じ、「立法府が決めるべき選挙制度について、行政府のトップである首相が一方的に具体的内容を指示することは本来、あってはならない」と、高市首相の政治手法そのものを問題視した。

ところが、その批判は支持率には結び付かない。読売新聞の6月19~21日の世論調査では支持率は前回より5ポイント上昇して69%。日経・テレビ東京の6月26~28日の調査でも2ポイント上昇し68%だった。報道各社によって支持率の傾向には割れがあるとはいえ、保守色の強い読売新聞や、比較的中道路線の日経新聞が批判しても、それぞれの調査で支持率は下がっていない。

「古い政治を壊すリーダー」と映っている高市首相
その理由は、高市首相自身の政治的な立ち位置にあるのではないか。高市氏は女性初の首相であり、非世襲議員でもある。総務相や党政調会長は経験したが、首相への登竜門とされる財務相、外相や党幹事長は務めておらず、派閥領袖でもなかった。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル






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