このたびも、郵送&オンラインでたくさんのご投稿をありがとうございます! 俳人の大井恒行さんが選んだ37句と講評、そして初秋に味わいたい名句3句をご紹介します。
天の川星踏み鳴らしつつ渡る 生駒大祐
星を踏み鳴らしながら天の川を渡る。あえて「てんのかわ」と読みたくなるのは、そのほうが「テン」と「ワタル」でタ行の響きがいきいきするから。なぜ天の川を渡るのか。もしかしたら背後に年に一度の逢瀬という七夕伝説があるのかも。ただし「天の川」は秋の季語。
八月の赤子はいまも宙を蹴る 宇多喜代子
8月は、今なお多くの日本人にとって特別な意味を持っている月。作者自身も、戦禍の赤ん坊を思って詠んだと語っています。小さな手足が仰向けのまま宙を蹴っている姿が忘れられないと。現在も、未来にも、すこやかに宙を蹴ってほしいという祈りが宿っています。
もりソバのおつゆが足りぬ高濱家 筑紫磐井
近代俳句の発展に大きな貢献をした俳人・高濱虚子は、「俳句は家業」と宣った。そんな虚子の子どもたち、孫、曾孫が一堂に会してソバを食べている。確かに彼が主宰した俳句結社「ホトトギス」は盤石の大所帯……。アイロニーのきいた一句。秋は新蕎麦の季節ですね。

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source : 週刊文春 2026年8月13日・20日号






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