メディアは首脳外交をどう報じるべきか。9月下旬、高市早苗首相は訪米し、その直後には米中首脳会談もあった。

首相の国連演説の内容を事前報道した9月23日朝刊1面の主な見出しを比べてみる。
朝日新聞「ICC脱退呼びかけ トランプ氏、国連演説で/高市氏 制裁言及せぬ方針」
毎日新聞「ICC一貫して支持」
読売新聞「首相は『法の支配』訴え」
日本経済新聞「『法の支配』危機感表明へ」
産経新聞「首相、旧敵国条項削除要求へ 国連演説 ICC支持も言及」
多くの社が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に対する米政権の制裁対象指定を意識し、首相がこの問題でどう表明するかを主軸にするなか、異質だったのが産経新聞だ。1面トップ記事の最も大きな見出しで、「旧敵国条項の削除要求へ」と打ち出した。旧敵国条項は、すでに「死文化」しているとされる。それを産経が1面トップにあえて据えたのはなぜか。

その答えが透けて見えたのは、9月25日の時事通信の報道だった。時事の記事は旧敵国条項の削除について、「政府関係者によると、首相は自ら演説に加筆するこだわりようだった」と伝えている。それならば、高市氏を応援する産経が、あえて強調したかった理由も分かりやすい。
その後の日米首脳会談、米中首脳会談をめぐる報道でも、産経は高市首相に忖度するかのような紙面展開が目立った。
日米首脳会談を受けた9月24日朝刊の3面では、「米、日本配慮 前面に 首相を称賛『米中』地ならし」との見出しで、日米の蜜月ぶりを猛アピールした。一方、トランプ氏と習近平氏の蜜月が報じられた米中首脳会談を報じる9月26日朝刊では、5面で「『想定の範囲内』日本政府冷静」とし、米中の接近を重く見ない論調をとった。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル
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