「彼の政治家人生で一番、目立ったのではないか」
自民党の岩屋毅前外相(69)による9月の中国訪問について、永田町関係者はそう語った。
日本国際貿易促進協会(国貿促)の会長として中国を訪れ、王毅外相や何立峰副首相と会談。昨年11月の高市早苗首相による「台湾有事」答弁で「国交正常化以来、最も緊張した関係」(外務省幹部)と言われるなか、中国は岩屋氏を「厚遇」した。
帰国した岩屋氏は10月2日、地元・大分で記者会見し、「対話が途絶えていた状況からすれば一歩前進」と強調。「中国側に不信を解消させ、理解してもらう努力を日本政府も行うべきだ」と注文をつけた。「このままでは11月に中国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力)会議での日中首脳会談は無理」(前出・幹部)と危ぶまれる状況での訪中だったが、その行動は是か非か。経団連の筒井義信会長が「非常に評価している」と述べるなど、経済界から賞賛もあった。
一方、「日本を分断したい中国に利用されただけ」(自民党関係者)との声も上がる。確かに岩屋氏の言動からは高揚感がにじむ。ロイターの取材に対し、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を掲げる高市氏の外交姿勢について、「花は咲き誇ったりはしない。自然体でありのままに咲いているから美しい」と答えたという。

石破政権で外相を務めた岩屋氏は「媚中派」とたびたび批判され、高市政権では党内野党の立場である。それだけに「高市氏の外交スローガンをあてこすったような発言をしたことで、結局は高市氏を批判するための訪中かと見られても仕方がない。中国からみれば一種の“分断工作”に成功したのではないか」(前出・自民党関係者)。
麻生派が唯一の派閥存続を決めた際、岩屋氏は「同調できない」と離脱。「麻生派にいたのも、前身の河野洋平元衆院議長のグループに所属していたから。『反中』志向の麻生氏と合わず、離脱の理由を常に探していた」(政治部デスク)。国貿促の前会長・河野氏は6月に亡くなる直前まで訪中の可能性を探り、会長の後継を岩屋氏に直接託したとされる。
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source : 週刊文春 2026年10月15日号
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