街の中心を流れる音信川沿いに、公共浴場や新旧の温泉宿、飲食店が立ち並び、歴史ある窯元も間近。土地の記憶を未来へ繋ぐ温泉街で、そぞろ歩きを楽しもう。
長門湯本温泉 恩湯(おんとう)|自然と工芸を巡り、川辺に集い寛ぐ温泉街
澄んだ川面が空を映し、せせらぎが心地よく、空が広く開けている。山口宇部空港から車で1時間と少しの場所にある長門湯本温泉は、着いた瞬間、大きく伸びをしたくなるようなのどかで、清々しい土地だ。
室町時代の開湯から600年。県内最古の温泉地は、今、公共浴場「恩湯」を中心に、音信川沿いに川床や足湯を配し、新しい“川辺の憩い”の場としても注目されている。
全国の温泉街同様、団体旅行客の減少を理由に苦境に立たされた時代がある。そこから次世代の旅館経営者たちを中心に、約10年かけて今のまちづくりを進めてきた。空き家を改修し、お隣、三ノ瀬集落の深川萩の窯元とともにギャラリーカフェを開業。2020年から深川萩の文化を温泉街で楽しむ催し「うつわの秋」(〜11月3日)も開催している。今年は和菓子作家・一方隅冴氏とのコラボレーションが話題だ。
まちづくりの活力が広がり、歴史を感じる建物や川の景観を活かしたホテルや飲食店も少しずつ増えてきている。そして今も旅のメインステージは、子供からお年寄りまで、時間を気にせず過ごせる川辺だ。
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source : 週刊文春 2026年10月15日号
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