9月にOECDが発表した学力調査の結果が話題だ。15歳が対象の読解力や数学的応用力などを測るテストで、日本が1位となったのである。AI先進国の成績が低下する一方、“読み書きそろばん”が再注目されている。
「よーい、はじめ!」
教室内に、講師の掛け声が響く。熱気に満ちた部屋で子供たちが机に向かい、一斉に問題を解き始めた。
「30分間ひたすら計算問題を解き続けます。これはものすごい集中力が鍛えられますよ。脳のスポーツと言っていいと思います」
そう語るのは、都内を中心にそろばん塾「アバカススタジオ」8校を運営し、日本国際そろばん協会副理事も務める黄俊豪氏。同塾には、200人を超える生徒が通っているという。
実はいま、子供たちの間でそろばんブームが再燃している。学研教育総合研究所の「小学生白書」によると、習い事ランキングで令和に入ってからはトップ10の常連で、一昨年は6位(8%)。さらに習字・書道も根強い人気を誇り、9位(6.8%)だった。

そして今年9月、OECD(経済協力開発機構)は、世界の子どもの学力を測る「PISA(学習到達度調査)テスト」(2025年)の結果を発表した。テストは3年に1度、15歳を対象に「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」を測るもの。91カ国・地域の約76万人が参加した。
この00年に始まったPISAで、日本は初めて、全科目でOECD38加盟国中トップを記録。全参加国・地域で見ても、読解力4位、数学5位、科学5位と高順位だった。
好成績のカギを握るのが、「読み書きそろばん」とも呼ばれてきた基礎教育だ。デジタル教科書やAIが教育に取り込まれていく中で、日本がテストで圧勝できたワケを探る――。
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source : 週刊文春 2026年10月22日号
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