「この3年間、何度も飲食業再生のエキスパートをFC(フランチャイズチェーン)運営のトップに連れてきて建て直しを図りましたが、うまくいきませんでした。銀行からの債務も重くのしかかっています」
そう声を落とすのは、高級食パン専門店「乃が美」を運営する株式会社乃が美ホールディングス(大阪市中央区、多田邦彦社長)の元経営幹部だ。
乃が美の原点は、元々大阪プロレス会長で飲食FC店経営の経験がある阪上雄司氏が部下と共に大阪で開業したパン屋だ。2013年に阪上氏の経営者仲間で、後に社長に就任する森野博之氏が阪上氏と共同で出資する形で設立。FC加盟店を中心に店舗を展開し、高級食パンブームの火付け役として、一時は「1日5万本売るパン屋」とメディアにも取り上げられた。

ブームがピークを迎えた2019年には、創業者らが投資ファンド「クレアシオン・キャピタル」(東京都港区)に約半数の株式を売却した。
「クレアシオンからも経営幹部が『乃が美』本部に派遣され、一緒に上場を目指して拡大路線をひた走りました。最盛期には全国で200超の店舗を構え、人員も増強した。しかし、コロナ禍と軌を一にしてブームにも翳りが出始め、店舗としても単月の黒字達成が厳しくなりました。当時、FC加盟店は毎月の売上から10%をロイヤリティとして本部に支払う仕組みでしたが、この支払いが滞る店舗が増えていったのです」(同前)

「特別清算」の方向で検討に入った
そうした中、起こったのが、乃が美本部とFC加盟店オーナーの対立だった。
元オーナーの1人が語る。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル
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