放送後、大反響を呼んだNHKの「未解決事件」。筆者は長年に亘り一連の事件を取材し、番組で科警研のDNA型鑑定の新疑惑を追及した。なぜ警察は“真犯人ルパン”を逮捕できないのか。そして彼の家を訪れると――。
NHKで放送された「未解決事件・北関東連続幼女誘拐・殺人事件」(9月23日)。番組は被害者5人の顔写真から始まった。1979年から96年にかけて、栃木県と群馬県の県境の半径10キロ圏内で4人が殺害され、1人が今も行方不明になっている一連の事件だ。

これほどの重大事件が、あまり広く知られていない背景には、4件目に起きた「足利事件」(90年)で、菅家利和さんが91年に逮捕されていたことがある。この1件だけの起訴だったにもかかわらず、栃木県警は菅家さんが「他の2件も自供した」と発表し、3件の事件解決を印象づけた。

だが2009年になって菅家さんが冤罪だったことが判明。その後、真犯人の可能性がある男も浮上しているが、今も未解決だ。
いったいなぜなのか。その背後に潜むDNA型鑑定の闇を、私はNHK取材班と共に番組で検証した。
そして、すでに死刑が執行された、92年に起こった福岡県の女児2人殺害事件――「飯塚事件」の鑑定にも目を向けた。アメリカでの取材と鑑定写真の分析から、捜査当局が守り続けてきた鑑定の根拠が今揺らぎ始めている。
まず、これまでの取材経緯から説明したい。
私が連続事件の取材を始めたのは07年、日本テレビの記者時代だった。事件の資料を精査しているうちに、5人の被害女児のうち3人がパチンコ店から誘拐され、3人の遺体は河川敷で発見されていたことを知った。発生は週末や休日に集中しているという類似性もあった。さらに群馬県太田市で5件目の「ゆかりちゃん事件」が起きた時には菅家さんは獄中にいた。これらのことから、私は真犯人を探す取材を進めた。

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source : 週刊文春 2026年10月29日号
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