五輪開催でも下がり続ける支持率。離れていく秘書官や閣僚たち。それでも、パラ閉幕後の解散を狙う首相はひとり闘争心を燃やしている。官邸・事務所ぐるみで挑む横浜市長選だ。だが敗色は濃厚で、いよいよ首相は――。
時の宰相のお膝元、神奈川県横浜市。その市長選が、いま政界に地殻変動を起こそうとしている。
8月14日の夕刻。地下鉄戸塚駅の改札前では、水色のポロシャツやTシャツを着た20人ほどのスタッフが、せわしなくビラを配っていた。この日は生憎の大雨。コンコースには生ぬるい湿気がこもり、皆じっとりと汗を浮かべている。
ポロシャツ姿でマイクを握るのは、小此木八郎氏。この市長選に出馬するまで国家公安委員長という要職を務めていた“大物”候補である。ところが、足を止める人はごく僅かだ。

近くでビラ配りに精を出すのは、横浜市戸塚区が地盤の坂井学官房副長官。スタッフと同じ服装のその人物が、菅義偉首相の最側近であり、政府高官であると、誰が気付くだろうか。
小誌記者は坂井氏に声をかけたが、そっけない返事を繰り返し、最後には、
「ちょっと、いま活動してるから。こっちは真剣にやってるんだから」
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source : 週刊文春 2021年8月26日号