かつて“影の横浜市長”と呼ばれた菅首相。
今も絶大な影響力を持ち、IR担当の副市長は「菅が決めた」と言われる。その副市長が、参入を狙う業者からたびたび高額接待を受け、資料を渡していた。仲介したのは“菅のタニマチ”で知られる韓国人経営者で…。
JR横浜駅から10分ほど歩いた坂の上に、その宴の場となった高級料亭「滝川」がある。中国系デベロッパーの幹部は、長い廊下の奥にある18畳ほどの広い「松の間」に何度も足を運んだ。カジノIR(統合型リゾート)開発に一枚加わろうと目論み、横浜市の副市長を接待するために。

アルコールの力を借りて気が大きくなったせいかもしれない。会ってまだ日の浅い接待相手は、すっかりリラックスし、盃を掲げながら人指し指を立ててこう言った。
「これが本格的に動きだせば、せめて一本くらいはオヤジに持っていかんといかんでしょうね」
昨今、中国本国はもとより香港やシンガポールで富を築いた華僑のリゾート開発業者が、日本で不動産開発に触手を伸ばすケースをしばしば耳にする。横浜市のカジノIR構想も例外ではない。ジャッキー・チャン会長の率いる中国系屈指の企業集団RXIグループ(社名、人名ともに仮名)もその一社だった。
横浜のカジノIR構想はさる8月22日に投開票がおこなわれた市長選で最大の争点となった。史上最多、8人の候補者が乱立したが、結末は周知の通りで、いまや中央政界を大きく揺さぶっている。
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source : 週刊文春 2021年9月2日号