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タマホーム社長が強制する「ワンモアベイビー」

「週刊文春」編集部
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強制されるピンバッジ
強制されるピンバッジ

 東証一部上場の大手住宅メーカー・タマホーム社員から、またも内部告発が届いた。今度は玉木伸弥社長(42)肝煎りの公益財団法人について――。

「オカルト教団のような印象を受けました!」

「風俗店利用推奨がパワハラに該当するのか見解を」

 8月26日に東京都内で開かれたタマホームの株主総会。株主たちは小誌がこれまで報じた「ワクチン禁止令」や「風俗店利用推奨」について玉木氏ら経営陣を質した。だが会場に玉木氏らの姿はない。

8月26日の株主総会
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「役員は『感染対策』名目でリモート参加。でも社員数十人が来場しているのだから矛盾しています。コロナを盾に、株主と向き合うことを避けたのでしょう。いずれの質問にもまともな回答はなく40分で一方的に終了しました」(参加者)

 総会では「(文春の)報道を鵜呑みにしないで下さい」と強弁した玉木氏。だが社員から小誌への告発は絶えない。今回、嘆きの声が寄せられたのは、玉木氏が主導して15年に立ち上げ、タマホーム本社内に事務局を置き、自ら評議員長を務める公益財団法人「1 more Baby(ワンモアベイビー)応援団」。同財団は「もう一人を願うパパとママのために」との理念で啓発活動や意識調査に取り組んでいる。関係者が語る。

「玉木氏自身は女性社員と結婚。子宝に恵まれた頃からこのアイデアにのめり込み、当初、億単位の予算を会社から拠出しています」

 電通などが応援企業に名を連ね、理事長は元少子化対策担当相の森雅子参院議員だ。女性社員が語る。

「我々社員は『ワンモアベイビー・バッジ』を強制的に着用させられるんです」

 コウノトリらしき鳥が赤ちゃんを運ぶイラストが描かれたピンバッジ。特に上層部が出席する会議ではバッジ着用が強く要請される。紛失した社員は、同財団が1080円で販売するバッジを、なぜか会社で2000円で購入させられる。

「差額について聞くと箱代だと言われました」(同前)

 強制の背景には、玉木氏の持論もありそうだ。タマホーム関係者が語る。

「2018年に合宿形式の新入社員研修がありました。そこで、玉木副社長(当時)が講話をしたのですが、『タマホームでずっと働き続ける方は挙手を』というので、多くの社員が手を挙げたんです。すると玉木氏は女性社員に『そんなことはないでしょう。あなたたちはこれから働いて、その中で結婚相手を見つけ、結婚をして子どもを産むはず』と語ったんです」

 そしてこう言い放った。

「女の幸せは、結婚をして子どもを産むことです!」

 会場の女性社員の間に寒々しい空気が広がった。

「3000人超のタマホーム社員の中には『ワンモア』どころか不妊に苦しむ人もいるし様々な事情で子どもを望まない人もいます。有無を言わさずバッジを強制され、傷付いている社員がいる。なぜそんなことも想像できないのか」(前出・社員)

 ハラスメントに詳しい新村響子弁護士が語る。

「バッジの強制着用は事情がある方への配慮を欠き、不適切であると思います。子育て支援は重要ですが、多様性に配慮した職場環境作りが求められます。また『女の幸せ』発言は事実であれば、性に関する固定観念に基づく『ジェンダーハラスメント』に当たります」

 理事長の森雅子氏に聞くと、書面で回答があった。「趣旨、意義に賛同して理事長に就任しました。玉木氏とは年1回程度、役員会の場で同席する以外にお付き合いはありません」

 タマホームは一切回答しなかった。社員のハッピーライフはまだ遠い。

森参院議員と玉木氏(森氏のツイッターより)

source : 週刊文春 2021年9月16日号

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