世間を怒りと悲しみの渦に巻き込んだ大阪の3歳児殺害事件。シングルマザーの家に入り込み、息子に熱湯を浴びせた無職の男を母親はかばい、「子どもが欲しい」とも。周囲の証言からは2人の奇妙な関係が次々と――。
「担架の上で酸素に繋がれた小さな体は真っ赤に爛れ、頭の毛がまばらに皮膚ごと剥がれ落ちていた。それは惨たらしいものでした……」(現場マンションの住人)
新村桜利斗(にいむらおりと)ちゃん(享年3)が摂津市内の自宅マンションで亡くなったのは、8月31日のこと。母・A子さんの外出中に、交際相手の松原拓海容疑者(24)が119番通報。救急隊が駆けつけた夕方4時58分には、すでに手の施しようもなかった。
「心肺停止の状態で自宅マンションの居間に裸で仰向けに横たわっていた。死因は全身火傷による熱傷性ショック死。高温のお湯を5分以上はかけ続け、火傷後、数時間にわたり放置したとみられる。熱湯を避けようとした跡はなく、身動きが取れない状態だった可能性が高い」(捜査関係者)
殺人容疑で逮捕された松原は「故意に熱湯を浴びせていない。徐々にお湯の温度を上げる遊びをして放置し、気づいたら浴室で倒れていた」と供述。現場マンションの給湯温度は75度まで設定可能だ。マンションの住民女性は、目に涙をためながら首を傾げる。
「ふだん60度や75度にする必要もないから、こんな機能があることすら知らんかった。給湯器パネルは浴室に付いてないので、徐々に温度を上げるにはいちいち台所に行かなあかん。小さい子とそんな遊びしてたなんて話、信じられるわけないやん。熱かったやろに、かわいそうや」
松原と20代前半のA子さんは昨年の9月に出会い系アプリで知り合い、10月から交際を始めた。年の暮れ頃には、母子家庭で生活保護を受けていたA子さんの自宅に、無職の松原が入り浸るようになる。近所の会社で営業職として働くA子さんの勤務中、松原が桜利斗ちゃんの面倒を見ることも多かった。
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source : 週刊文春 2021年10月7日号