『天皇のお言葉 明治・大正・昭和・平成』(幻冬舎新書)で、明治以降、天皇が発してきた言葉からその本音と苦悩を考察した評論家・近現代史研究者の辻田真佐憲(まさのり)氏(37)。氏が、結婚会見での小室夫妻の言葉を読み解く。
先日の結婚会見をみて、なにかに気づかなかったでしょうか。そう、感謝ということばが10回も使われていたのに、その多くで、対象がきわめて限定されていたのです。
「私のことを思い、静かに心配してくださった方々や、事実に基づかない情報に惑わされず、私と圭さんを変わらずに応援してくださった方々に感謝しております」(眞子さん)
「このような苦しい状況にあった私たちを助けてくださった多くの方々に大変感謝しております」(圭さん)
通常、この手の文脈ならば「国民のみなさま」のような、より広く曖昧な対象に謝意が向けられるはずです。ところが、今回はほぼ一貫して、自分たちを心配し、応援し、信じ、支えてくれたひとに限定されていました。
ここには、デマに惑わされ、応援してくれなかったひとには感謝しないぞという明確なメッセージと、沸々とした怒りが感じられます。インターネットなどで誹謗中傷が相次いでいたとはいえ、結婚会見としてきわめて異例な内容といわざるをえません。
この会見にあたっては、メディアからの質問にたいする文書での回答も行われました。こちらでは会見以上に「誤った情報」や「いわれのない物語」といった強めの表現が何度も登場し、対決姿勢がより鮮明になっています。
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source : 週刊文春 2021年11月11日号