「拝謁で感じた宮内庁の“ユルさ”」

眞子さん、小室さん結婚「私はこう考える」第4弾

D・アトキンソン
ニュース 皇室

 イギリスから来日して30年。二度、天皇(現上皇)に拝謁した経験を持つ小西美術工藝社・社長のデービッド・アトキンソン氏(56)が感じた、日本の皇室と英王室との“違い”とは。

 立場の犠牲者――私は眞子さんをそう見ています。皇族でなければ、ここまで騒がれることはなかったはず。相手方の家が問題を抱えていたにせよ、国民は多くの日本人が守っていない理想論を、彼女に押し付けた。批判をしていた人々に、「あなた自身は、人から後ろ指をさされないような人生を送ってきたのか」と問い質したくなりました。

 ただ同じことは、以前の英王室にも言えます。王族の結婚相手に対し、国民が騒ぎ立てることは日常茶飯事。それに悩む王族が、数多くいたのも事実です。

 王室にも特殊な価値観や文化が根強かった。エリザベス女王の母の代までは、王族同士の結婚が続いていた。その後、一般人が王族に嫁ぐようになりましたが、アン王女とマーク・フィリップス、マーガレット王女とアンソニー・アームストロング=ジョーンズのように、離婚例も多かった。貴族の娘のダイアナ妃でさえ、しきたりに苦しみました。その結果、英王室は少しずつ変わっていったのです。

 例えば「離婚歴のある女性との結婚は、王位継承権を失う」と規定されていた1772年の王室婚姻法は、2013年に廃止に。離婚歴のあるメーガン妃がハリー王子と結婚出来ました。ダイアナ妃の時代まで、婚前交渉は避けるべきとされてきましたが、ウィリアム王子は7年に及ぶ交際を経て、キャサリン妃と結婚された。近年では、王室内の“多様性”についても議論が進むなど、現代社会に沿う変革も起きています。

英王室の変革の象徴・メーガン妃

 一方、日本ではいまだに理想の押し付けが行われているのが現状。眞子さん、小室さんの騒動だけではなく、天皇の公務についても同様のことが言えます。

 天皇は年約700件もの公務を抱えています。慰問や歌会始、園遊会など足を運ぶ必要のあるものや、法律条文に目を通し、公印を捺す執務もある。体調が悪くても、法律の発効手続きを遅らせると「立法権への介入」になるため、休むことはできないのです。これではお身体に気を付けていても、いつか倒れてしまう。

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source : 週刊文春 2021年11月25日号

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