10年前、都内にマンションを購入した40代のサラリーマンAさん。銀行から4000万円を借り、変動金利型で35年ローンを組んだのだが……。

「最近、住宅ローン金利が上がったというニュースを聞き、不安になっています。会社の業績は良くなくボーナスは減るばかり。住宅ローン控除期間の10年が過ぎ、まだ3000万円ほど残高がある。固定金利型に借り換えをすべきなのか……」

 

 今、世界中で金利が上がり始めている。米国では今年中に5〜7回の利上げがあると予想されている。

 そして日本でも1月末、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが6年ぶりの高水準を記録。3メガバンクは2月適用分の10年固定型の住宅ローン金利を引き上げた。

 住宅ローンの固定金利型は長期金利に連動し、決定される。いっぽうの変動金利型は銀行の短期金利に連動。固定型が上がった以上、変動型の金利も上がっていくのでは……との観測が広がっているのだ。

「変動金利型は、日銀がマイナス金利政策を維持する中で当面変化しないと見られてきました。ただ、来年4月には黒田東彦日銀総裁が任期満了となり、これまでの政策が転換される可能性があります。そうなると現在、超低金利で人気のある変動型の引き上げも視野に入ってくる」(経済部記者)

黒田日銀総裁

 たとえば三菱UFJ銀行の場合、現在、固定型(10年)の住宅ローン金利は年0.84%、変動型は0.475%と開きがある。それゆえ約6割の人が変動金利を選んできた。対して期間選択型の固定金利を選んだのは約27%、フラット35など全期間固定金利型は約4%だ(国土交通省調査)。

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source : 週刊文春 2022年2月24日号