120年の伝統を誇る、名門・東京女子医大が揺れている。医師・看護師らの大量退職が続き、今年度の病床数は大幅減に。その背景には、知人や親族が関わる企業にカネが渡る、“女帝”理事長の公私混同疑惑があった――。
「女子医大は、ここ数年ですっかり別の大学病院になってしまいました」
こう語るのは、東京女子医科大学病院(以下、本院)に勤務する30代の医師だ。
「東大や慶應と肩を並べるほど、女子医大は医療レベルが高いと評価されていました。それが、利益最優先に方針転換したのです。利益に直結する病床稼働率を診療科別に1日2回も報告させ、各科を競い合わせる。必要のない入院を勧めてしまう医師もいます」(同前)
一方で研究費は2019年から20年にかけて、4億円以上がカット。医学文献のデータベース使用料も有料化された。
「経営方針に反発して優秀な医師・看護師が大量に辞め、医療レベルが大きく低下。人手不足も常態化しています」(40代医師)
1年前、女子医大の本院には約1200人の看護師がいたが、120人減となった。
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source : 週刊文春 2022年4月28日号