「転売による価格アップを規制する必要はない。そこは自由であるべき。ただ、今回の件はお客さんからすると“騙し”に近い。見過ごせないと思って声を上げたのです」
そう語る男性のピンクの髪の毛は逆立っていた――。
「♪いわしたのっ新しょーが!」のCMでお馴染みの岩下食品は1899年創業の栃木県の漬物メーカーだ。
「1987年に生まれた代表商品『岩下の新生姜』は、スライスや千切りなど様々な加工品を含めると50以上のアイテムを展開。国民的知名度は東海漬物の『きゅうりのキューちゃん』と双璧です」(食品業界記者)

その老舗が“事件”に巻き込まれたのは5月8日のこと。冒頭のように語るのは同社の四代目社長・岩下和了(かずのり)氏(55)である。一体何が起きたのか。
「私は2011年からツイッターで自社商品の“エゴサーチ”を行っています。商品にコメントして頂いてる方に毎日1000件は『いいね』を送るのが習慣で、スマホのやりすぎで腱鞘炎になったほど。あの日もSNSを見ていたんですが、異常な価格でウチの商品を販売している業者を発見したんです」(岩下社長)
件の業者はアマゾンに登録し、生姜のみじん切りとすりおろしをオリーブオイルなどに漬けた商品『やみつき岩下の新生姜』を1瓶2280円で販売していた。ところが岩下食品の通販では429円(税込)が“定価”。約5倍の値付けは正に暴利である。

「実は5月7日に『所さんお届けモノです!』(TBS系)という番組で紹介して頂いたばかり。業者はそれを見て購入意欲を持った方を狙った『転売ヤー』でした。『やみつき』はリニューアルしたばかりの商品で、お客さんも馴染みがない。2280円という価格に疑問を持たない方が気の毒だと思い、抗議するべくアマゾンに改善依頼を送って、業者には警告文をメールしました」(同前)
業者は即座に対応し、アマゾンから商品を削除。岩下社長の機敏な行動はネットで称賛された。だがその一方で「社長の髪の色が気になりすぎる」といった声が上がったのだ。
それもそのはず。岩下社長は髪の色、スーツにシャツ、靴、腕時計、マスクに至るまでピンクの“生姜カラー”という装い。社長、一体どうしたんですか!?
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source : 週刊文春 2022年5月26日号