交流戦開幕直前の5月23日、中日ナインに衝撃が走った。中村紀洋一軍打撃コーチ(48)を二軍に“降格”、波留敏夫二軍打撃コーチ(52)を一軍に配置転換する人事が発表されたのだ。
立浪和義監督(52)は理由について「これは内輪の話。別に何かノリに問題があったわけじゃない」と詳細を語らずじまい。球団関係者は「選手の多くも公式発表で知ったほどで、様々な憶測が広がった。この球団は身内の異変を外部から知るケースが多い」と困惑する。
中村コーチは近鉄を皮切りに6球団でプレーし、日米通算2106安打を放った強打者。引退後は高校生への指導で実績を上げ、立浪監督が若手の底上げを期待して自ら入閣を打診した。
「昨秋の就任後は石川昂弥や根尾昂らを精力的に指導。石川は開幕スタメンに入るなど成果を上げていた。チーム打率、本塁打も昨季より上昇している」(番記者)
ではなぜ、開幕2カ月で異例の人事が行われたのか。
「球団は広い本拠地のドームで有利に戦えるよう、単打と走塁に主眼を置いた若手育成プログラムを作り、それを基に指導するよう通達していた。だが中村コーチは長打を狙う“ノリ流”の打撃理論に自信があるため、不満を抱いていたようです。さらにキャンプ中、立浪監督の『石川にしばらく教えるな』という指示を無視して揉めるなど、火種は燻っていました」(同前)
そして5月に入ってから“決定打”となる出来事が。
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source : 週刊文春 2022年6月9日号