金融機関が中小企業の事業者に融資をする際に、葛飾区が一定の利子を負担する「中小企業融資あっせん制度」。この利子の支払いを巡り、東京東信用金庫が777件超の“誤送金”をしていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。1000件を超える可能性もあり、今後、東京東信用金庫は顧客への説明、返還手続きを進める。
東東京信用金庫(通称「ひがしん」)は、墨田区に本店を置き、東京都の東側と埼玉県、千葉県に約70店舗を構える。ひがしん関係者が語る。
「『中小企業融資あっせん制度』では、まず葛飾区が取り扱いの金融機関に利子の補給金を預けます。金融機関は顧客の月々の返済の際、そこから利子の一定分を顧客に戻します。問題は利子の返済日が、土日などの休日とかぶるケースで起きました」
返済日が休日の場合、利子の引き落としの基準日を、その前日や当日、翌営業日にするかは金融機関によって異なる。
「つまり利払いの根拠となる融資残高も違ってきます。葛飾区では『翌営業日』と決まっていますが、ひがしんは店舗によって基準がバラバラで、長年、多数の誤送金を起こしていたことがわかった。その分、区の利子の補助も多く顧客に払ってしまっていたのです」(同前)
当然、補助の原資は区民の税金だ。区の産業経済課の担当者が「ありえない」と嘆く。
「今年4月、制度を受けている事業者の方からの『利払いがズレているようだ』という問い合わせでわかりました」
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source : 週刊文春 2022年6月16日号