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葛飾区は「ありえない」 東京東信用金庫が税金を“誤送金”777件

スクープ速報

「週刊文春」編集部
ニュース 社会 経済 企業

 金融機関が中小企業の事業者に融資をする際に、葛飾区が一定の利子を負担する「中小企業融資あっせん制度」。この利子の支払いを巡り、東京東信用金庫が777件超の“誤送金”をしていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。1000件を超える可能性もあり、今後、東京東信用金庫は顧客への説明、返還手続きを進める。

99年、複数の信金が合併して誕生した

 東東京信用金庫(通称「ひがしん」)は、墨田区に本店を置き、東京都の東側と埼玉県、千葉県に約70店舗を構える。ひがしん関係者が語る。

「『中小企業融資あっせん制度』では、まず葛飾区が取り扱いの金融機関に利子の補給金を預けます。金融機関は顧客の月々の返済の際、そこから利子の一定分を顧客に戻します。問題は利子の返済日が、土日などの休日とかぶるケースで起きました」

制度案内のパンフレット

 返済日が休日の場合、利子の引き落としの基準日を、その前日や当日、翌営業日にするかは金融機関によって異なる。

「つまり利払いの根拠となる融資残高も違ってきます。葛飾区では『翌営業日』と決まっていますが、ひがしんは店舗によって基準がバラバラで、長年、多数の誤送金を起こしていたことがわかった。その分、区の利子の補助も多く顧客に払ってしまっていたのです」(同前)

 当然、補助の原資は区民の税金だ。区の産業経済課の担当者が「ありえない」と嘆く。

「今年4月、制度を受けている事業者の方からの『利払いがズレているようだ』という問い合わせでわかりました」

完済分も合わせると間違いは1千件超

 ミスが発見されたのは区内の5店舗だ。区に保存されている制度利用者の過去5年分の記録を現在、各支店で調査中だという。

「現在生きている融資のほか、完済分も合わせると、間違いは1千件を超えていると思われます」(同前)

 ひがしんの担当常務によると、現時点で判明している件数は777件。今後は顧客への説明や返金作業にも追われるだろう。

 同金庫の中田清史理事長は小誌の取材にこう語る。

「一つ一つは何百円と大したことがないのですが、件数が多かった。関東財務局にもミスを届け出ている。大変申し訳ないことをしたと思います。利子を戻し過ぎたお客さんに説明し、返してもらわなければならない」

中田理事長(ひがしんHPより)

 と、非を認めた理事長。だが責任の所在について問うと、「その辺は金額や件数にもよるし、顧問弁護士とも相談します」と語ったのだった――。

 このほか、区の職員がひがしん担当者に放った一言、ひがしんが最初に区にした説明、ひがしん内部でミスが長年続いてしまった理由などを、6月8日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び6月9日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。

source : 週刊文春 2022年6月16日号

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