「ひがしんさんは、公金の扱い方をどう考えているんですか!」

 葛飾区産業経済課の職員は、こう声を荒げた。相手の“ひがしん”とは、東京東信用金庫の通称である。

99年、複数の信金が合併して誕生した

 墨田区に本店を置き、東京都東部と埼玉、千葉に約70店舗を構えるひがしん。貸出金残高1兆円超の信用金庫で、何があったのか。ひがしん関係者が語る。

「金融機関が中小企業の事業者に融資する際に、葛飾区が一定の利子を負担する『中小企業融資あっせん制度』があります。この利子の支払いで大量の“誤送金”が見つかったのです」

制度案内のパンフレット

 こうした制度融資は、全国の自治体で行われている。まず葛飾区が取り扱いの金融機関に利子の補給金を預ける。金融機関は顧客の月々の返済の際、そこから利子の一定分を顧客に戻す。

「問題は利子の返済日が、土日などの休日とかぶるケースで起きました」(同前)

 返済日が休日の場合、利子の引き落としの基準日をその前日や当日、翌営業日のいずれにするかは金融機関によって異なる。

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source : 週刊文春 2022年6月16日号