自分の失言で30年ぶりの敗北 小沢一郎80歳の「最後の砦」

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「週刊文春」編集部
ニュース 政治

 立憲民主党・小沢一郎氏(80)のおひざ元の岩手選挙区で、自民党候補が30年ぶりに当選した。再選を狙った小沢氏の元秘書・木戸口英司氏が2万2000票の大差で落選したのだ。約53年前の初当選から築き上げてきた「小沢王国」は、完全に崩壊過程に入った。

昨秋の衆院選では初めて小選挙区で敗れ、比例復活

「決め手は、小沢氏の失言だった」(地元記者)

 小沢氏は安倍晋三元首相が凶弾に倒れた8日、県内での街頭演説で「自民党の長期政権が招いた事件と言わざるを得ない」と述べた。さらに記者団から真意を問われると「自民がおごり高ぶり勝手なことをやった結果だ」と火に油を注いだ。これが炎上するとツイッターで「安倍元総理は、父君、安倍晋太郎先生以来の関係で、親しくさせて頂いてきた」などと釈明、追悼したが、「遅い。老害」「白々しい」と、益々非難を浴びた。

 親子ほど年の離れた泉健太代表(47)から発言を注意され、そのこと自体をツイッターで満天下にさらされた。全盛期を知る政治記者は「有権者の気持ちをくみ取る政局観の源は、小沢氏特有の言葉の敏感さだったのだが……」と嘆息する。

 民主党代表だった2007年4月、長崎市の伊藤一長市長が選挙戦のさなかに暴力団幹部に射殺された際は、「目的達成のためには手段を選ばない『何でもありの風潮』が蔓延している。政党、党派ではなく、国民が真剣に考え直し、社会の健全さを取り戻さねばならない」と強調。その言葉には「政治リーダーらしい重厚さがあった」(前出・政治記者)。

 小沢氏の言葉への鋭敏さは天性のものだった。

「田中角栄氏や金丸信氏が小沢氏を重用し、重要な密談に同席させたのは『オヤジ殺し』だったからだけではない。その場の文脈を読む力が優れていた。難しい会合でも、誰がどう発言したかを明確に記憶し、発言順や、裏に隠された真意を言葉の端々から読み取った」(政治部デスク)

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source : 週刊文春 2022年7月21日号

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