▶コンプラ宣言以降も日本で年600億円集金
▶霊感商法マニュアルは誘拐殺人遺族も“冒瀆”
若者が、学校や会社を突然辞めて家族と連絡を絶ってしまう「親泣かせの原理運動」が話題になったのは、1960年代から70年代。壺や印鑑を高額で売りつける霊感商法が社会問題化したのは、80年代。有名人の参加で合同結婚式が騒がれたのは、90年代。
しかし今世紀に入ってから、統一教会(世界平和統一家庭連合)に関する報道が下火になったのは事実。自民党幹部の口から「何が問題かわからない」という言葉まで飛び出す始末だ。
筆者は1992年に『週刊文春』の特派記者となって以来、統一教会の問題を断続的に報じてきたが、この数年は記事を書いていない。その自省も込めて、統一教会がこの間に行なってきた反社会的行為の一端を、内部資料を基に振り返っておく。
2007年から10年にかけて、統一教会が全国で展開していた霊感商法の会社が相次いで摘発された。容疑は、客を不安に陥れて印鑑などを高額で売りつけた特定商取引法違反。このとき、表紙から中身までまったく同じ「印鑑販売マニュアル」や「トークマニュアル」が各地で押収され、筆者は一部を入手した。
手相や姓名鑑定を入口に、相手やその家族が抱える悩みを聞き出し、原因に先祖の因縁があると説く。そして今こそ転換期だと吹き込んで、開運のために守護印が必要だと信じさせるクロージングへ持って行く。姓名鑑定トークの一部を引用しよう。
〈(3)長男・長女判断
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source : 週刊文春 2022年8月18日・25日号