その医師は、妊婦たちにこう囁きながら違法中絶を繰り返していたという。「これは君の犯罪なんだからね。捕まるのは君だよ……」。小誌に届いた、「黒いマタニティクリニック」に関する情報の数々。2カ月にわたる取材の結果、驚くべき実態が明らかになった――。
長らく胸に仕舞い込んでいた思いを打ち明けるのは、産婦人科「太田マタニティクリニック」(以下、太田クリニック)に長年勤務していたA子さんだ。
「母体保護法では、満22週以降の中絶は禁止されています。ところが太田クリニックでは、週数オーバーの妊婦さんの違法中絶が頻繁に行われていました。中には33週や34週の中絶もありました」
埼玉県日高市。緑豊かな見晴らしのよい地にそびえる太田クリニックは「年中無休、24時間体制」のお産サポートを謳い、地域でも屈指の人気を誇る。2017年に新築された綺麗な建物は、院長が「10億円かかったよ」と自慢するというだけあって、半円状のデザインとガラス張りの開放的な雰囲気が印象的だ。その院長こそ、太田克行医師(77)。元病院スタッフが語る。
「開業医として40年以上の実績を持つ、ベテラン産婦人科医です。昭和大学医学部を卒業後、愛育病院、広尾病院での勤務を経て、狭山市に太田産婦人科医院を1977年に開業。2017年には隣の日高市に現在の新クリニックを建設し、移転してきました。現在では地域で一番人気と言っていいと思います」
この太田クリニックが、今回複数の元スタッフらが告発する「黒いマタニティクリニック」なのだ。
2カ月99円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
-
月額プラン
99円/最初の2カ月
3カ月目から通常価格2,200円
期間限定
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2019年2月14日号