「日本教会が進めてきた献金、集金のやり方は、明らかに社会的モラルに反するものでした。解決すべき課題だという認識は内部にもあったのですが、お金集めが全てに優先される教団の“狂った組織文化”が変わることはありませんでした」
実名で証言するのは、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の元幹部・櫻井正上氏(48)だ。
櫻井氏は、1998年から約20年間、統一教会の中枢である渋谷区松濤の日本本部に籍を置いた。最終的な肩書きは、信者の家庭や二世教育に関わる要職の家庭教育局副局長。それもただの幹部ではない。父は日本教会第五代会長の櫻井設雄氏(故人)、母は原理講師の節子氏。教団の草創期から活動した大幹部夫妻の息子だったのだ。
教団のエリートでもあった櫻井氏は、半生を捧げてきた組織となぜ“訣別”に至ったのか。
「日本信徒の過剰な献金負担をはじめ、家庭連合は深刻な問題をいくつも抱えていました。私はそれらの改善を願い、2017年、教団の方針に異を唱えたところ、組織に対する反逆と見なされた。職を解任され、教団を離れることになったのです」(櫻井氏)
いま小誌の手元に、教団の内情を抉り出した櫻井氏の手記がある。参考資料を合わせると、その分量は2万字以上に及ぶ。
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source : 週刊文春 2022年9月15日号