茶畑に囲まれた長閑な街に、けたたましいサイレンが鳴り響いたのは9月5日午後2時過ぎ。幼稚園の送迎バスの側で黒いワンピースを着た女性は泣き叫び、職員に詰め寄っていた――。
静岡県牧之原市の学校法人・榛原学園が運営する認定こども園「川崎幼稚園」。この園に通う河本千奈ちゃん(3)が送迎バスに約5時間にわたって置き去りにされ、熱射病で死亡した。
「朝の送迎でバスに同乗していたのは増田立義理事長兼園長(73)と、シルバー人材センターから派遣された70代職員。2人とも『バスを降りる園児の数は、相手が確認すると思っていた』と語っている。千奈ちゃんは発見時、体温が40度まで上昇していた」(社会部記者)
同園の送迎バスの現役運転手が明かす。
「自分が運転手のときは、降ろし忘れがないか、必ず同乗の職員と確認している。昨年7月に福岡で置き去り事故があったときには『気をつけましょう』と週刊誌の記事を職員に配っていたよ。甘さがあった……そういうことだね」
7日午後に開かれた記者会見では、増田園長の言動に批判が集まった。
「千奈ちゃんの名前を『ちなつちゃん』と何度も間違えたり、『廃園になるかもしれないよね』と笑って話したり、まるで他人事のようでした」(前出・記者)
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source : 週刊文春 2022年9月22日号