エリザベス女王の国葬は、荘厳で素晴らしかった。テレビの前に釘づけになっていた人たちも多いに違いない。私もそう。ずっと見ていたら、棺を守る近衛兵が、独得の歩き方をしていることに気づいた。リズムをとりながら肩を揺らしている。伝統なのであろう。ちょっと可愛らしい。
棺を砲車へ移す兵士の顔が大映しになる。まだ幼いおもかげを残す青年もいるし、アジア系の青年もいる。多様性にとんでいる。
私はふと、最近のニュースに出ていた、ロシア兵の顔を思い出した。統率がとれていることといったらない。号令でビシッと横を向くが、その角度も全く同じ。そして顔も背の高さもそっくりだ。規格品のようでぞっとしてしまった。感情がないように見える。プーチンはこういう兵士を、次から次へと送ってこようとしているのか。
気が滅入るばかりだから、チャンネルを変えて、エリザベス女王関連の番組の続きを見ましょう。
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source : 週刊文春 2022年10月6日号