消費者庁は10月13日、「日本アムウェイ」に対し、社名や目的を告げずに勧誘する連鎖販売取引は特定商取引法違反にあたるとして6カ月間取引停止の行政処分を命じた。
全国に約60万人の会員 2021年の売上高は984億円
「昨年11月にはマッチングアプリで知り合った女性を、目的を告げずにエステに連れて行き勧誘したアムウェイ会員2人が、特定商取引法違反容疑で逮捕されています」(社会部記者)
こうした、いわゆるマルチ商法で問題視されてきた業界最大手のアムウェイだが、会社に対する行政処分は初めてだ。設立は1977年。「ABO」(アムウェイビジネスオーナー)と呼ばれる会員が自分の下に会員を増やし、販売網を広げる。下の会員にアムウェイ商品を売れば売るほど、一定の割合で報酬が得られる仕組みだ。全国に約60万人の会員がおり、2021年の売上高は984億円を誇る。
「アムウェイのセミナー」とは聞かされず、セミナーに参加
今回、そんなアムウェイの被害を「週刊文春」に告白するのは関西在住の主婦、A子さんだ。「今度ご飯でも」と前の職場の先輩から連絡があったのは2019年3月のことだったという。
「後日、『紹介したい人がいる』と言われて自宅に行きました。そこでアムウェイの販売する鍋の魅力を力説された。自宅に行くまでアムウェイの名前は一切聞かされていませんでした」(A子さん)
10月には、この先輩に呼ばれてアムウェイのセミナーに参加。このときも「アムウェイのセミナー」とは聞かされなかった。参加者は十数人程度。リーダー格の人が「健康に大事なのは空気、水、栄養です」と力説し、アムウェイのサプリ「ニュートリライト」を飲むと良いなどと語った。だがセミナーの現場では「ニュートリライト」の部分が異様に早口で聞き取りづらかったと振り返る。
「後から思えば、ニュートリライトで検索するとアムウェイだとすぐにバレるので、それを避けるためだったのでしょう」(A子さん)
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source : 週刊文春 2022年10月27日号