「選び抜いた木材を美しく組み上げた日本の建築はエレガントです。“軽み”を感じさせます」
うららかな11月の午後。茨城県水戸市の旧藩校「弘道館」内に、すらり背の高いフランス人の姿があった。歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏である。
人口統計や家族類型を駆使して人類史を読み解き、ソビエト連邦崩壊やドナルド・トランプの台頭……、など国際情勢の流れを予測してきた「知の巨人」である。
折しも最新刊『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』(小社刊)を上梓したばかりのトッド氏。知日派ゆえ日本滞在は不思議ではないが、なぜ水戸に?
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source : 週刊文春 2022年11月24日号