発気揚々！相撲界のニューヒロイン

　2023年元日、史上初となる日本一決定戦が開催される「女子相撲」。鮮やかな技、目にも止まらぬスピード……次世代のホープに迫った。

撮影　鈴木七絵・深野未季

「優勝以外は意味がない」疾風迅雷のスーパー中学生｜静岡　平口幸芽（15）

　女子相撲界では「こうめちゃん」の愛称で知られる。まだあどけない印象を残す中学3年生だが、今年4月、社会人や大学生も参加する国際女子相撲選抜堺大会の超軽量級（50キロ未満）で優勝し、一躍その名を全国に知らしめた。

　体は小さいが、土俵の上ではスピードと技の多彩さで相手を圧倒する。「2位だと落ち込む」と話すように、負けん気の強さもまた彼女の持ち味なのだろう。

　負けず嫌いな少女が相撲を始めたのは小学2年の頃。静岡・焼津市は相撲が盛んな土地柄で、一つ下の妹が市内のちびっ子相撲に参加したのが切っ掛けだった。

「それまでは相撲を見たことすらなくて。でも練習へ行ったら意外と女の子がいて良いなって。始めは手加減して勝たせてくれたし、最初から技もたくさん教えてくれた。それで大会でも勝てるようになったので、コーチには感謝してます」

　勝利を純粋に追い求める幸芽さんが、相撲の取り口で参考にするのは人気力士の炎鵬関。炎鵬について話し出すと、中学生らしい可愛らしさが全開となった。

「私、めちゃくちゃ炎鵬が好きなんですよ。キモいと思われるかもだけど、前は写真を印刷して部屋に貼ってたり。相撲も格好良いけど一番は顔かな（笑）。巡業に来た時に一度話をしたことがあって、性格も全部見習いたいって思いました」

　女子相撲の未来を背負って立つ逸材だが、今は高校受験のまっただ中。将来について、こんな思いを打ち明ける。

「フツーに友達と遊びたい気持ちもあるけど……。相撲を続けるんだったら練習して、すべての大会で優勝したいです」

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

キャンペーン終了まで

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版＋雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める！

source : 週刊文春 2022年12月29日号