すべてはたけしから始まった 《ナイナイ》《爆問》《オードリー》深夜1時の芸人たち

文春ラジオ!

川野 将一
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ

 ビートたけしが漫才ブームから映画監督になるまで唯一続けていた番組『オールナイトニッポン』。その伝説は引き継がれ、芸人は今夜も喋る。

 

(かわのまさかず 1971年生まれ。放送作家・脚本家。「テレビの放送作家でラジオのヘビーリスナー」として『ラジオブロス』『ラジオの残響 ヘビーリスナー聴く語り記』『日本懐かしラジオ大全』などを出版。)

 もし、radikoで昭和のラジオを聴くことが出来れば、僕は1981年(昭和56年)の『オールナイトニッポン(以下、ANN)』(ニッポン放送)にダイヤルを合わせたい。深夜1時から放送された1部の各曜日のパーソナリティは、月曜が中島みゆき、火曜が所ジョージ、水曜がタモリ、木曜がビートたけし、金曜が吉田拓郎、土曜が笑福亭鶴光。さらに深夜3時から始まる木曜2部には明石家さんまがいた。それから40年を過ぎた今も第一線で活躍する、リビング・レジェンド達のマイクの共演。10歳でその声に触れた筆者がラジオのヘビーリスナーの人生を送ることは必然だった。

 そんな『ANN』ゴールデンイヤーの元日夜に始まった『ビートたけしのANN』は「芸人ラジオの頂」として伝説が今に残っている。毒の入った笑いを届けながらも、子供時代の母の厳しさを、浅草の師匠・深見千三郎の哀しい生涯を、会わずとも成長する子供を語り、時に“オネーチャン”も話題に。強引な取材から1986年12月「フライデー」編集部を襲撃し逮捕。その謹慎中にマスコミを欺いて出演したのも、当初、出演者にすぎなかった映画『その男、凶暴につき』が北野武監督第一作となり、その撮影プランを聴いたのもこのラジオだった。金属バットを使った親の殺し方を伝授した初回から批判を受け続け、いつ終わってもおかしくなかった『ビートたけしのANN』は元号が平成に変わって1990年(平成2年)12月まで10年もの間続いた。

 

 そして、伝説は引き継がれ、笑いを届け、生き様を晒す「深夜1時の芸人ドキュメンタリー」ともいうべき芸人長寿ラジオの電波は今も毎晩飛び交っている。

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source : 週刊文春 2023年1月5日・12日号

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