人生100年時代を迎えて高齢者にとって最大の障壁となる病気は、今もがんである。厚生労働省の2021年の「人口動態統計」によれば、同年、悪性新生物(がん)で亡くなった人は、約38万人。1981年以降、日本人の死因で常に第1位。近年は全死亡者の4人に1人を占める。
高齢世代を見ても、60代から80代までの死因でがんはトップだ。がんで亡くなった人の約87%が65歳以上の高齢者である。
ただ一口にがんと言っても、部位によって症状や死亡率などが違い、予防の対策も異なる。
そこで高齢者にとって特に危険度の高い4つのがんについて、最新知識と予防策を紹介していこう。
まず取り上げたいのは大腸がんである。昨年末、女優のあき竹城さんが大腸がんでこの世を去った(享年75)。現在、女性全体のがん死因の1位で、21年には、約2万4000人が亡くなった。一方、男性はがん死因の2位、2万8000人が亡くなっている。
大腸がんは、高齢になるほど死亡リスクが高くなる。前出の「人口動態統計」によると、75歳から79歳は人口10万人あたりの死亡率が78.9人だが、85歳以上では245.6人と跳ね上がるのだ。
その理由を山王病院(東京都)副院長で消化器内科の大久保政雄医師が話す。
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source : 週刊文春 2023年1月19日号